指定種別 | 種別細別 | 指定名称 | 所在地域(旧町村) | 所在地区 |
県指定 |
歴史資料 |
佐竹義昭奉加帳 |
大宮 | 下町 |
大宮地域下町に鎮座の甲神社が所蔵する、弘治3年(1557)3月に作成された奉加帳。”奉加帳”とは寄進の割付け帳で、部垂の乱(へたれのらん)の犠牲者の鎮魂や地域の安定を図るために計画されたと考えられる甲神社の修理にあたり、甲神社別当 海義が、寄進に加わるべき佐竹家臣とその寄進高を書き上げたものに、佐竹18代義昭が目を通して一部を改めさせたのち認可したと考えられます。
奉行を務めたのは、家老格にあたる小田野刑部少輔(おだの ぎょうぶしょうゆう)と和田掃部助(わだ かもんのすけ)の両名で、書き上げられた家臣178名の中には、佐竹一族の大山大膳亮や宇留野大蔵、譜代の人見大縄らの名も見えますが、その他の家臣のほとんどは、佐竹宗家からは陪臣にあたる、部垂・小場(おば)の両家に由緒の深い家筋の者たちです。
源氏系図とともに折本の形で保存されてきましたが、平成18年度に行なった修復に伴う調査によって、もとは巻子(かんす 巻物)であった可能性が高いことが判明し、巻物として修復しました。修復時に奉加帳裏面に、
「此奉加日記 経年数 破損仕候迄 末代の人ニ為令見 令補之者也
寛文六年丙午十二月廿日部垂村大祝[ ](花押)」
との修理銘が発見され、江戸時代前期の寛文6年(1666)に、修復が施されていたことが明らかになりました。
(参考/茨城県教育委員会HP「いばらきの文化財」)