美和地域鷲子(とりのこ)に遺構が残る、鳥子江戸氏(とりのこ えどし)が本拠とした中世の山城です。
国道293号線を挟んで鷲子宿の北側の尾根上に位置し、3つの曲輪(くるわ 郭)や城跡の周囲を取り巻く帯曲輪(おびくるわ)、腰曲輪状の地形を確認することができます。主郭はおよそ50m四方の広さを持ち、西側に二郭、そして街道、鷲子宿に面します。東側は尾根が続きますが、三郭の東端に堀切を設け、尾根を断ち切っています。現在、二郭は稲荷神社の境内地となり参道も付けられているので見学しやすくなっています。
山城の規模としては小さいですが、城跡と、その南側の「祢古屋(ねごや)」と呼ばれる家臣団住居跡と推定される地、兵士達の平時の生活空間、また、庶民の居住空間としての町場(鷲子宿)がひとつの空間として想定できる貴重な例です。
(広報 常陸大宮「ふるさと見て歩き 50」平成22年11月より)