三輪神社は、緒川地域大岩の鎮守。祭神は大物主命(おおものぬしのみこと)で、奈良県桜井市に鎮座する三輪神社(大神神社 おおみわじんじゃ)を勧請したものです。
もとは国神(くにがみ)神社でしたが、一村一社制を進めた水戸藩2代藩主 徳川光圀により、元禄9年(1696)に大岩村内の小社21社を合祀して国神神社にまとめ、三輪神社と改名して現在地に遷しました。さらに光圀は、「助さん」として知られる家臣 佐々宗淳(さっさ むねきよ)に命じて大和国(奈良県)に人を派遣し、著名な三輪山の杉の実を採取させて持ち帰らせ、大岩の三輪神社境内に蒔き育てさせました。
昭和16年に発行された『茨城県神社写真帖』(いはらき新聞株式会社)によると、境内にその種木が5株あるとのことですが、社殿前の石段両脇に立つ大杉などが「種木」に該当するのでしょうか、はっきりとはわかりません。
名君 光圀が深く関わった大岩村の三輪神社ですが、その後も、5代藩主 宗翰(むねもと)が寛延3年の社殿立替の折の檀那(だんな 出資者)として、そして6代藩主 治保(はるもり)が寛政3年(1791)の拝殿修築の檀那として三輪神社に関わったことが、拝殿にある棟札(むなふだ)の写しや、境内に建てられた石碑によって知ることができます。
(参考/広報 常陸大宮「ふるさと見て歩き 54」平成23年3月)